インターフェロンを用いないで内服の抗ウィルス剤の併用(インターフェロンフリー治療)も肝硬変に用いられます。インターフェロンと同様の肝癌抑制効果が期待されています。


肝臓がんが年間8%も発症してしまう肝硬変に至ったC型肝炎のリスクを下げる治療法は?東京大学の研究チームが2,890名を分析

from Annals of internal medicine
  

写真はイメージです。本文の内容とは関係ありません。 (C) eranicle – Fotolia.com

肝硬変診療ガイドラインでは、C型肝硬変患者へのインターフェロン療法は、肝がんの発症を予防し、予後を改善させる可能性が高いことが述べられています。今回は、その根拠となる1999年の『アナルズ・オブ・インターナル・メディシン』の論文を紹介します。

◆インターフェロン療法を受けた慢性C型肝炎患者と受けていない患者を比較
今回の研究では、2,890名の慢性C型肝炎患者を対象に、治療と肝細胞がんの発症率の関連を調べました。対象者のうちインターフェロン療法を受けた人は2,400人、インターフェロン療法を受けなかった人は490人でした。
 
◆インターフェロン療法と肝細胞がんの発症リスクが関連
調査の結果、以下のことを報告しました。
多変量解析により、インターフェロン療法は肝細胞がんのリスク減少と関連していた(調整済みリスク比0.516、95%信頼区間0.358-0.742 、p<0.001)[…]。
治療を受けていない患者における、肝細胞がんの年間発症率は、ステージF0またはF1の線維症患者の0.5%からステージF4の線維症患者の7.9%と、肝臓の線維化の程度とともに増大していた。

インターフェロン療法を受けている患者の方が肝細胞がんのリスクが低いことを報告しました。
また、インターフェロン療法を受けていない患者のうち、肝硬変がある人には年間約8%に肝細胞がんの発症が認められました。
 
C型肝炎が進んで肝硬変に至ったとき、放っておくと肝細胞がんの年間発症率が8%という非常に高い数字を、インターフェロン療法で減らすことができるかもしれないという論文です。この論文は、慢性肝炎・肝硬変の診療ガイド、肝硬変診療ガイドラインのどちらにも参照されています。B型肝後の肝細胞がん発症に関しても、今後紹介する予定です。
なお、現在ではC型肝炎の治療にはこの研究よりも後に開発された新薬も使われるようになっています。そのうちいくつかはほかの記事で紹介していますので、あわせてご覧ください。

◆参照文献
Interferon therapy reduces the risk for hepatocellular carcinoma: national surveillance program of cirrhotic and noncirrhotic patients with chronic hepatitis C in Japan. IHIT Study Group. Inhibition of Hepatocarcinogenesis byInterferon Therapy.
Ann Intern Med. 1999 Aug 3
[PMID: 10428733 ]

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